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【金澤寿和のPREMIUM ONE】5月8日〜5月14日 番組後記 ポール・マッカートニー@東京ドーム!!

◉ ポール・マッカートニー@東京ドーム

 来日の度に足を運んでいるポール・マッカートニーの来日公演。
ローリング・ストーンと同じで、
最近は“これが最後かも”“次はないかも”という強迫観念(?)でチケットを買っているが、
さすがに日本武道館10まんえん!だと、貧乏ライターには 手が出ない。
それでも観に行けば、充分に満足して帰って来る。
特に“ONE ON ONE JAPAN TOUR 2017”と命名された今回のショーは、
内容的に満足度が高かった。

 とにかく、74歳にしてあの元気。
150分間で40曲近く、水分補給もせず一人で歌いまくる。
あれにはホント頭が下がる。
あぁ、この人はライヴが心底好きなんだな、
さすがにハイトーンはキツくなってきているし、
いがらっぽくなる場面も増えてきたけれど。
それでもオリジナル・キーで声を出そうとする姿には、
清々しささえ覚えた。

 自分が出かけたドーム2日目のセットリストは以下の通りだけれど、
部分的には日替わりメニューになっていて、
初日や3日目には<Junior's Farm>や<Letting Go>、
<We Can Work It Out>、<Birthday>あたりが聴けたそう。
個人的にはウイングス時代の曲をもっと聴きたい!と思っていたので、
<Junior's Farm>と<Letting Go>はメチャ残念だ。
もし元気でまた来てくれるなら、
ウイングス時代の曲で固めたショウ、なってものアリではないかな? 



                       (金澤 寿和)
 
1. A Hard Day's Night
2. Save Us
3. Can't Buy Me Love
4. JET
5. Temporary Secretary
6. Let Me Roll It
7. I've Got A Feeling
8. My Valentine
9. 1985
10. Maybe I'm Amazed
11. I've Just Seen a Face
12. In Spite Of All The Danger
13. You Won't See Me
14. Love Me Do
15. And I Love Her
16. Blackbird
17. Here Today
18. New
19. Queenie Eye
20. The Fool On The Hill
21. Lady Madonna
22. FourFiveSeconds
23. Eleanor Rigby
24. I Wanna Be Your Man
25. Being for the Benefit of Mr. Kite!
26. Something
27. Ob-La-Di, Ob-La-Da
28. Band on the Run
29. Back in the U.S.S.R.
30. Let It Be
31. Live and Let Die
32. Hey Jude
33. Yesterday
34. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
35. Hi,Hi,Hi
36. I Saw Her Standing There
37. Golden Slumbers
38. Carry That Weight
39. THE END






【 5月8日〜5月14日まで放送分のPLAY LIST 】



M1 : My Back Pages / Keith Jarrett Trio                      【選曲 : 竹内】 
1945年5月8日生まれのキース・ジャレットが1969年にリリースした初のライブアルバム
そして初期の彼の最高傑作と誉れ高い作品、LP『Somewhere Before』のA面1曲目を
レーザーターンテーブルで再生した【LVm レーザー・ヴァイナル・マスターサウンド】。
原曲は、ボブ・ディランが1964年に内省的な歌を綴った作品。
キースはこの曲を1968年にロスアンゼルスにあったシェリーズ・マン・ホールでライヴ録音した。
チャーリー・ヘイデンのベースソロから始まり、キースのピアノとポール・モチアンのドラムスが
重なり合いながらボブに負けない歌を奏でていく。この時、キース・ジャレットは紛れもない
「ピアノ・シンガー」となる。詩のないプレイの中、ピアノが内省的な世界を奏で歌っている。
プロデューサーはジョージ・アヴァキャン、1967年から活動していた
チャールス・ロイドカルテットからのつきあい。
本曲は、ジャズマンの原石としてスタートした頃のキース・ジャレットの貴重な記録だ。
この後キースは1970年にマイルス・デイビス・バンドに合流し、
ジャズ・ピアニストとしての活動とキャリアを不動のものにしていく。

 



M2 : Bad Time / Grand Funk Railroad                            【選曲 : 金澤】
今週のカナザワ選曲分は、この時期にふさわしくウキウキするようなポップ・ソングをセレクトした。
最初に登場するのは、アメリカン・ハード・ロックの老舗バンド:グランド・ファンク・レイルロード。
この<バッド・タイム>の収録アルバムは75年発表
『ALL THE GIRLS IN THE WORLD BEWARE(ハード・ロック野郎)』 で、
“世界の女は御用心”というサブ・タイトルが付いていた。
アートワークもそれにふさわしく、メンバ−4人が筋肉ムキムキのボディビルダーに扮する図。
しかしこの曲はそうしたイメージにそぐわないほどポップなナンバーで、
全米4位のヒットを記録している。キャッチーなメロディと、
リード・シンガーであるマーク・ファーナーの歌心溢れるヴォーカルが大きな魅力だ。





M3 :   As Time Goes By / Bob Dylan                                 【選曲 : 竹内】
1941年5月24日生まれのボブ・ディランが本年2017年にリリースした
スタンダードアルバム3作目にあたるアルバム、3枚組LP『Triplicate 』の2枚目C面2曲目を
レーザーターンテーブルで再生した【LVm レーザー・ヴァイナル・マスターサウンド】。
75歳になったボブ・ディランが、2016年12月にスウェーデン・アカデミーから
ノーベル文学賞を授与した後、そのスウェーデン公演の直前3月31日に通算38作目のスタジオ録音として
急遽リリースした。オリジナル・アルバムとしてはキャリア初となるLP、CD共に3枚組で、
アメリカの偉大なソングライターたちの30曲をディランがヴォーカリスト、アレンジャー、
バンドリーダーとしてツアーバンドとともにハリウッドのキャピトル・スタジオで録音された。
プロデューサーはディラン自身であり、ジャック・フロストとしてクレジットされている。
As Time Goes By 「時の過ぎゆくままに」、不変的な想いを歌に託したこのスタンダード・ナンバーは、
1931年にハーマン・フップフェルドがブロードウェイ・ミュージカル『エブリバディズ・ウェルカム 』
(Everybody's Welcome)のために作詞・作曲。その後、数多くのシンガーたちに歌い継がれている。
1942年制作のアメリカ映画ハンフリー・ボガート出演の『カサブランカ』のテーマ曲として使われたのは
あまりにも有名。大いなる名曲に御大ボブ・ディランが臨む

 




M4 : You’re My Best Friend / Queen                                              【選曲 : 金澤】
フレディ・マーキュリーの個性ばかりが突出している感のあるクイーンだが、
実は初期にはこんなキャッチーなレパートリーも存在していた。
書いたのはベースのジョン・ディーコンで、<ボヘミアン・ラプソディー>を生んだ
76年の4作目『A NIGHT AT THE OPERA(オペラ座の夜)』に収録。
ジョンにとっては、初めてのシングル・ヒット(全英7位・全米16位)になっている。
10ccやELO、もっと突き詰めれば中期ビートルズにも通じる
キャッチーな魅力に溢れた楽曲と言えるだろう。







◉レコメンド・コーナー『REVIVE ONE』!
1枚のアナログレコードにスポットを当てて、レコメンダーの愛聴盤をご紹介するコーナー! 



《 竹内孝幸の愛聴盤 》


M5 : 5月の絵画 / 浜田省吾                                       【選曲 : 竹内】
2005年にリリースされた『My First Love』から10年、2015年のゴールデン・ウィークに
リリースされた浜田省吾18枚目のオリジナル・アルバム、
2枚組LP『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』の1枚目B面3曲目を
レーザーターンテーブルで再生した【LVm レーザー・ヴァイナル・マスターサウンド】。
アルバムのライナーノーツは、美しいフォトグラフと日本語の他に中国語、韓国語、英語、
スペイン語の5ヶ国語で記され、使用紙は「FSC認証用紙」というところが浜田省吾らしい。
本曲は、10年前の作品『My First Love』に収録されていた「花火」という楽曲から歌い繫がれた作品。
当時15歳だった娘との別れの後、10年の歳月を経て再開するシーンが切り取られた“家を去って行った
男の歌”。不倫、浮気、破局・・・、様々な愛の形が歌となっているが、
本曲のようなLove Songを私は他に知らない。
「5月の絵画」は、リスナーもアーティストも10年という時間を旅して辿り着いた陽の当たる場所だ


 



M6 : 夢のつづき / 浜田省吾                                       【選曲 : 竹内】
2005年にリリースされた『My First Love』から10年、2015年の初夏にリリースされた
浜田省吾18枚目のオリジナル・アルバム、2枚組LP『Journey of a Songwriter ~ 旅するソングライター』
の1枚目B面3曲目をレーザーターンテーブルで再生した
【LVm レーザー・ヴァイナル・マスターサウンド】。
本曲は、2015年に重松清の原作「アゲイン」を映画化し中井貴一、波瑠、和久井映見、柳葉敏郎らが
出演した『アゲイン 28年目の甲子園』の主題歌にもなった。
生ギターのシンプルな響きにトラッド感いっぱいの日本的アメリカーナの音楽が展開される中、
家族の歩みが情景豊かに歌われていく。
「5月の絵画」が“家を去って行った男の歌”であれば、本曲「夢のつづき」は“家に残り、
家族を守った男の歌”とも言えよう。日本のポピュラー・ミュージックもここまで成長した。
ジャケット、ライナーノーツ、プレス盤、インナー袋、
そのすべてが日本のアナログ・レコード盤作品としては別品だ。
今度は、本場アメリカーナたちが追及している、
よりアナログサウンドの“音の世界”で別品を創り上げることに期待大。
  





《 金澤寿和の愛聴盤 》


M7 : If I Ever Lose This Heaven / Sergio Mendes                          【選曲 : 金澤】
5月らしいポップな楽曲というコトで、ブラジリアン・エッセンス溢れるセルジオ・メンデスをセレクト。
しかもソフト・ロック的なサウンドで大人気を博したブラジル’66時代でも、
アーバン・コンテンポラリー路線で<Never Gonna Let You Go(愛をもう一度)>の大ヒットを生んだ
80年代の彼でもなく、ましてやwill i.amと組んでヒップホップ色を打ち出した近年の姿でもなく…。
注目したのは、スティーヴィー・ワンダーへの傾倒に始まり、ソウルフルなクロスオーヴァー・スタイルを
目指した70年代後期。グループをブラジル’66から’77へと進化させ、
ディスコ的アプローチを試みた時代だ。その75年に発表したソロ名義のアルバムに、
リオン・ウェアが書いたこの名曲があった。オリジナルは、ミニー・リパートンが歌って
クインシー・ジョーンズ『BODY HEAT』に収録された
ヴァージョンで、アヴェレージ・ホワイト・バンドのカヴァーでも有名。






M8 : Davy / Sergio Mendes                                    【選曲 : 金澤】
同じく75年のアルバム『SERGIO MENDES』 からの一曲。
作者は「Everything Must Change」などを書いた黒人ソングライター:バーナード・アイグナー。
原曲はジャズ・シンガーのマリーナ・ショウが75年にリリースしたブルーノートから
名盤『WHO IS THIS BIRTH ANYWAY』に収録されていた。
スティーヴィーと同様、アイグナーもセルジオお気に入りのソングライターだったらしく、
このアルバム収録曲のうち半分が、この2人の作品で占められていた。