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【金澤寿和のPREMIUM ONE】5月15日〜5月21日 番組後記 2016年の、世界のレコード売り上げ実績発表!!

◉ 2016年の、世界のレコード売り上げ実績発表

 去る4月25日、国際レコード産業連盟=IFPIが、
2016年の全世界のレコードの売り上げ実績を発表した。
トータルで対前年5.9%伸の伸び。
これは連盟が実績発表を開始した97年以来、
一番高い伸び率だったという。

 最も伸張率が高いのは有料ストリーミングで、
対前年比60.4%の伸び。
定額制音楽ストリーミング・サービスの有料会員は、
全世界で1億1200万人に達したそうだ。
フィジカル(CD/LP)売り上げ実績は、
対前年7.6%ダウン。アナログ・ブーム再来で
レコードの売り上げ実績は急速に伸びているが、
レコード産業全体に占める割合は、
まだまだ大きくないということだろう。
でもそれ以上に打撃を被っているのは、
有料デジタル・ダウンロード。20%越えの売り上げダウンで、
もう完全に過去のシロモノと化している。
これからは、手元に置きたい音楽はCD/LPなどのパッケージ・メディア、
聴くだけでイイなら有料ストリーミング、
そういう二極分化が更に進んでいくに違いない。

 でも要は使い方次第。
ストリーミングを視聴機代わりにすれば、
無駄なお金は使わないで済むし、
本当に価値のある音楽だけに資金投下できる。
握手券をゲットするために購入されたパッケージはゴミにしかならないが、
冒険をせず、一生付き合える音楽だけを手元に置くことだって可能だ。
引いてはそれが、音楽を創る側の意識改革にも繋がっていくのが理想である。
付加価値に頼らず、切磋琢磨して、
純粋に良い音楽を発信していくこと。
リスナーとミュージシャン、
その両方が変わっていかなければ、
良き音楽シーンは生まれず、
商売人に占有されていくのみであろう。 


                                                    (金澤 寿和)






【 5月15日〜5月21日まで放送分のPLAY LIST 】



M1 : The Pleasure Seekers / The System                                 【選曲 : 金澤】 
80年代を代表するニューヨーク発信のエレクトロ・ファンク最高峰チームが、ザ・システム。
サウンド担当のデヴィッド・フランク、ヴォーカル担当のミック・マーフィーから成る
ツー・メン・ユニットで、83年〜90年頃に活躍。ロバート・パーマーも取り上げた
「You Are In My System」をR&Bチャート10位、“ビート・バラード”の異名をとった
「Don’t Disturb This Groove」を全米4位/R&B1位のヒットにした。
アンジェラ・ボフィル、ハワード・ジョンソン、ジェフ・ローバー、ノナ・ヘンドリクスらの
プロデュースでも活躍。角松敏生と近しい関係にあり、アルバムやライヴでしばしば共演している。
この曲は85年発表の3rdアルバム、タイトル曲。疾走感が抜群で、R&Bチャート21位をマークしている。






M2 :  I Wanna Be With You (part-1) / Armenta & Majik                【選曲 : 金澤】
クール&ザ・ギャング一派のグループ:ケイジーズに在籍したエミール・ベイヤンが、
83年にプロデュースしたニューヨーク・ファンク系ユニットの12インチ盤から。
看板娘アルメンタはフランス娘と思われるが、“マジック”なるグループには実体がなく、
メディア向けに体裁を整えた感が強い。とはいえ当時のクラブ・ミュージック・ファンには波及力のあった
楽曲で、ディスコでは大人気。最近では80’sブギー定番曲のひとつとして、知る人ぞ知る存在になっている。
ジャケットは国内スリーヴで、欧州盤はデフ・ジャケ。







M3 : Tomorrow Today / Gilbert O'Sullivan                                        【選曲 : 竹内】
アイルランド出身のシンガーソングライター、ギルバート・オサリバンが
1977年に5作目のオリジナルアルバムとして発表したLP『Southpaw』のA面4曲目を
レーザーターンテーブルで再生した【LVm レーザー・ヴァイナル・マスターサウンド】。 
先日の2017年レコード・ストア・デイではデビューアルバムがリマスター、LPレコードとして
リイッシューされた。アイルランドや英国をはじめ、ヨーロッパでは変わらぬ人気をほこる
ギルバート・オサリバン。本曲は日本でも1992年のギルバートの初来日をさかいにヒットした。
マネジメントサイドとのいざこざ問題をモチーフに誕生した本曲だが、
エバーグリーンなメロディとストリングスのアレンジが緑と初夏の香りを醸し出し、
希望を持って生きることへのメッセージを託した色褪せない楽曲として昇華している。







M4 : Please Get My Name Right / Roger Cook                             【選曲 : 竹内】
英国出身のシンガーソングライター、ロジャー・クックが1976年にソロアルバム4作目として発表した
LP『Alright』のA面2曲目をレーザーターンテーブルで再生した
【LVm レーザー・ヴァイナル・マスターサウンド】。
ロジャーはクック&グリーナウェイのコンビで名曲を書いたソングライターとして、
またブルー・ミンクのメンバーとしても知られている。グッドフィーリングでノスタルジックな
メロディーが彼の持ち味。本曲はそんな持ち味を活かした英国POP直系のSSW作品の代表作で、
甘く美しいメロディーが緑の中に溶け込んでいくかのような逸品。







◉レコメンド・コーナー『REVIVE ONE』!
1枚のアナログレコードにスポットを当てて、レコメンダーの愛聴盤をご紹介するコーナー! 




《 金澤寿和の愛聴盤 》


M5 : Sky High / Donald Byrd                                 【選曲 : 金澤】
前半は80’sブギー系のコンテンポラリー・ファンク・サウンドをお届けしたので、
アルバム・ピックアップのRevive Oneでは、よりドス黒い、70年代のジャズ・ファンクを。
そこでチョイスしたのが、ハード・バップのジャズ・トランペット奏者として鳴らしたドナルド・バードが、
逸早くファンクのリズムを導入した73年の衝撃作『BLACK BYRD』だ。
プロデューサーはラリー&フォンス・マイゼル兄弟で、彼らが興したスカイ・ハイ・プロダクションの
初作品でもある。まさにそのテーマ曲とも言えそうなナンバーで、バードの柔らかい
フリューゲル・ホーンの音色が印象的。バックを固めるのは、デヴィッド・T.ウォーカー(g)、
チャック・レイニー(b)、ジョー・サンプル(pf)、ハーヴィー・メイスン(ds)など。






M6 : Where Are We Going? / Donald Byrd                 【選曲 : 金澤】
前曲同様、ドナルド・バードの73年作『BLACK BYRD』から。
プロデュース/アレンジを務めるラリー・マイゼルのヴォーカルがフィーチャーされているが、
曲調といい、タイトルといい、メロディといい、マーヴィン・ゲイ「What’s Goin’ On」を
意識しているのが明白だ。そのためリスナー層を大きく広げ、ブルーノートの売り上げ実績を更新。
グラミー賞にもノミネートされたが、当時の既成のジャズ概念をはるかに超越していたため、
批評家たちからは「これはジャズじゃない」と酷評されたそうだ。だがブルーノートがこれを機に
ジャズ・ファンク路線を定着させ、マイゼル兄弟を中心として次々この手を作品を産み落としていくように。
エレクトリック・マイルスと同様、これもまさにジャズ史が動いた瞬間であった。







《 竹内孝幸の愛聴盤 》


M7 : Lighting Lady / Brownsmith                         【選曲 : 竹内】
米国シアトルの独立系のレコード会社ファースト・アメリカンから1973年にリリースされ、
2年後の1975年にキャピトルレコードから再発された『Brownsmith』。
グループ名をアルバムのタイトルにしたLPレコードのA面1曲目をレーザーターンテーブルで再生した
【LVm レーザー・ヴァイナル・マスターサウンド】。
男性デュオ「Brownsmith」は、ドン・ブラウンDon Brownとギャレット・スミスGarret Smithの2人の
出会いから誕生。唯一無二のコーラスと瑞々しい生ギターサウンドとメロウグルーブが売り物。
本作は、白地をベースにしたジャケットのファースト・アメリカンレコーズオリジナル盤と
グリーンをベースにしたキャピトル盤の2種類のデザイン違いのLP盤が存在する。
本曲「Lightning Lady」はDon Brownによる作品で、メロウ・エレピとアコギ、
そしてブラウン&スミス二人のハーモニーが初夏の入り口、緑の季節に爽やかな風を運んでくる。






M8 : Gold And Mellow / Brownsmith                                           【選曲 : 竹内】
米国シアトルの独立系のレコード会社ファースト・アメリカンから1973年にリリースされ、
2年後の1975年にキャピトルレコードから再発された『Brownsmith』。
グループ名をアルバムのタイトルにしたLPレコードのB面4曲目をレーザーターンテーブルで再生した
【LVm レーザー・ヴァイナル・マスターサウンド】。
男性デュオ「Brownsmith」は、ドン・ブラウンDon Brownとギャレット・スミスGarret Smithの
2人の出会いから誕生。唯一無二のコーラスと瑞々しい生ギターサウンドとメロウグルーブが売り物。
本作は、白地をベースにしたジャケットのファースト・アメリカンレコーズオリジナル盤と
グリーンをベースにしたキャピトル盤の2種類のデザイン違いのLP盤が存在する。
本曲「Gold And Mellow」はDon Brownの作品。爽快ハーモニーと共に始まるメロウ・チューン、
徐々にブラジリアン・フュージョンへと変化する流れは、初夏から真夏へと向かう季節の流れのよう。