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釧路湿原の密やかな朝

希少な自然と生態系を持つ釧路湿原。
どこまでも水平に広がる湿原は日本最大の面積を誇り、
大きく蛇行する釧路川を支流とした幾筋もの川や、小さな湖沼も点在しています。
 
冬の早朝、静かな湿原では密やかな音の変化が感じられます。
ヨシの草原に風が吹き抜け、ゆったりと霧が漂う中、
耳を澄ますと、野鳥が微かに鳴く声や、湿原に積もった雪の間を小さなせせらぎが流れる音。
時折「クルルッ」と可愛らしい声を聞かせていたタンチョウは、
やがて群れとなり賑やかに鳴き交わし始めます。
 
太古の時代、かつては海の中だった釧路湿原の一体。
約3千年前には海の水が引いていき、現在の湿原の姿になりました。
名残として、海から隔離されて出来た塘路湖、シラルトロ湖、達古武湖などの「海跡湖」も残っています。
 
風景は時代と共にこんなにも一変するのかと思うと、不思議です。
そこで暮らす様々な生き物や植物たちも、
刻々と変わりゆく環境に必死に適応して生きているのでしょう。