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春の気配

旧暦2月を指す如月は、今の暦では2月下旬から3月頃のこと。
草木の芽が急に張り出して、春の野鳥が鳴き始める季節です。
今回は、春の気配に耳を澄まします。
 
- 奈良 -
東大寺、春日大社、興福寺・・など数多くの国宝建造物が並ぶ奈良公園。
梅の蕾がほころび、ほのかな春の香りを漂わせています。
奈良公園の東部、春日大社の神山として保護されてきた春日山原始林は、うっそうとした巨木が立ち並び、
広葉樹を主とした手付かずの森が広がります。
軽やかに流れるせせらぎの中、あちらこちらから控えめな野鳥の声が聞こえてきます。
ささやかな早春の音は、これからやってくる明るい春に向けた期待感を内包しています。
天河神社で有名な天川村では、森によく響く伸びやかな声で、春告げ鳥のウグイスが歌い始めました。
ウグイスは、コマドリ、オオルリと共に、さえずりが美しい鳥3種「日本三大鳴鳥」とも呼ばれていますが、
早春のうちはまだ辿々しい練習中のさえずりも聞こえてきて・・なんだか微笑ましくも感じます。
 
- 伊豆半島・爪木崎 -
伊豆半島先端近くの爪木崎。春の訪れが早く,水仙の群落で知られます。
周辺の丘には遊歩道が伸び、断崖や海、美しい花々を眺めながら気軽に散策を楽しめる、気持ちの良い場所。
岬に打ち寄せる波音と野鳥の声に明るい陽ざしを感じます。
西側の海岸には、「柱状節理」といってマグマや溶岩が冷え固まる時に体積が縮んで出来る
「俵磯(たわらいそ)」と呼ばれる景色が見られます。音だけでなく、自然の造形にはいつも驚くばかり・・
 
- 高知県・足摺岬 -
四国最南端の足摺岬。一年を通じて温暖な気候の足摺半島には、ツバキ、ビロウ、ソテツなどが密生して、まるでジャングル。
早春の亜熱帯林に野鳥が騒ぎます。
春はたっぷりの日差しを浴びて、植物が驚くほどの速さで伸びていき、生き物たちも活発に動き出します。
春は眠い・・なんて言っている私たち人間は、その力強いパワーには圧倒されてしまいます。
 
日一日と濃くなる春の気配は、光や風や道端の草、街路樹、野鳥、水の音、人の表情などなど・・・様々な所に現れます。