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湖畔のまどろみ

鬱蒼とした樹々に囲まれた湖に、静かに波が打ち寄せています。
柔らかな陽射しに照らされて、しばらくまどろみの時を過ごします。
今回は深山に佇む2つの湖の音風景をお届けします。
 
- 山梨県・四尾連湖(しびれこ)-
甲府盆地の南、蛾ケ岳山頂付近の森の中に位置する四尾連湖。
このちょっと変わった名前は、四つの尾を連ねた竜の神が住んでいるという伝説から由来し、
雨乞い信仰の場所としても知られています。
湖底からの湧水が水源のために透明度が高く、四季折々のうつろいが湖面に反映します。
夜明けの時間、湖の控えめな波音の中だけが聞こえる湖畔で、鳥たちが歌い出しました。
フクロウの声もまだ聞こえています。
朝と夜の気配が入り混じった、あるひと時の音風景です。
 
- 伊豆半島・八丁池 -
伊豆半島中央部に位置する天城峠の東に「野鳥の森」と呼ばれる地域があります。
その森を1時間ほど歩くと、深い緑の中にひっそりとした佇まいの「八丁池」が見えてきました。
八丁池は周囲600m弱の小さな沼で、別名「天城の瞳」とも呼ばれる美しい場所。
周囲は静けさに包まれ、小さな音もクリアに聞こえてきます。
春の早朝、木漏れ日が揺れる緑の中に元気な野鳥の声が響きます。
湖を渡る風はまだ冷たいけれど、春の息吹を感じます。