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春の清流

水の豊かな日本列島。各地に清らかな流れがあります。
四季の移ろいによっても様々な表情を見せる川は、自然を移す鏡となって変化し続けます。
今回は、春の清流の音風景をお届けします。
 
飛騨山脈から上高地を経て松本を流れる梓川は、穂高連峰の雪解け水を集める清流。
たっぷりと豊かな水量が作り出すリッチな水音です。
活発な鳥のさえずりにも勢いが感じられます。
 
富士山の伏流水が噴き出した静岡県の柿田川。豊かな湧水に恵まれた全長1.2㎞の清流です。
柿田川の上流部の「柿田川公園」では、川を臨む遊歩道や「湧き間」と呼ばれる湧水ポイントがあり、様々な角度から川を楽しむことができます。
湧き出る透明な水音と、人々の賑わいの声も聞こえてきます。
 
奈良の大峰山脈を源に、紀伊半島を流れる熊野川。熊野の深い森が豊かな流れを作ります。
深みのある豊かな水音と、水辺に集まる鳥のノンビリとしたさえずり。
うららかな春、人も生き物も暖かな日差しの中で穏やかになります。
 
高知県の西部を流れる四万十川。
大きく蛇行する中流域、そしてゆったりと流れる下流まで、様々な表情を見せます。
川の形が複雑であるほどに、音もダイナミックになります。
高知県の四万十町と愛媛県宇和島市を結ぶ鉄道「予土線」に走る小さな列車の音も聞こえてきました。
 
濃い水色を「水浅葱(みずあさぎ)」、静かな水面に風がたてたさざ波を「水の綾」
・・・などなど日本には水にまつわる美しい言葉が沢山あります。
日本人の、自然に対しての見方や繊細な感性がうかがえます。