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春の湿原

湖や池に草木が積もり、数千年、一万年と時間をかけてできた湿原は、
多くの生物が絶妙なバランスで生きています。
今回は、2つの湿原の音風景をお届けします。
 
-小田貫湿原(こだぬきしつげん)-
富士山の西、白糸の滝近くに位置する小田貫湿原には、
大小120を超える池が点在して、多くの動植物を集めます。
小田貫湿原の真ん中を通る木道をゆったりと歩きました。
湿原のあちこちからカエル達の声がコロコロと木質楽器の音のような音色で、
ゆるやかなリズムを作り出します。
遠くの木々からは、ウグイスが伸びやかな歌を響かせ、奥行きのある音風景です。
 
-花之江河(はなのえごう)-
屋久島の中央部、標高1600mの山中にひっそりと佇む花之江河は日本最南端の高層湿原。
長い年月をかけて形成された池塘の美しい景色が広がり、目の前には黒味岳がそびえ立ちます。
天候の変化が早く、あっという間に雲が流れ、吹き抜ける風が草木を揺らす音が響きます。
せせらぎは変わらず一定のテンポで流れ続け、湿原の時を刻んでいます。
 
冬の間、ひっそりと静まり返った湿原は、春とともに鮮やかな季節を迎えます。